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ネパールの現状

img038sm.jpgネパールは、アジア諸国の中でもGDPがバングラディシュ、ブータン、ラオス以下であり最も貧しい国に位置付けられます。国家予算の4割近くが国外からの援助に頼っているような状況です。国民の約8割ほどは農業に従事しており、都市と地方には大きな格差があります。
同国は長い間、国王親政体制をとってきましたが、1990年の民主化運動により立憲君主制へと移行しました。しかし、1996年にマオイスト(ネパール共産党毛沢東主義派)の武装闘争が始まり、それ以降政治不安が続いています。そのため国の経済も衰退し、さまざまな問題が山積しています。

1.生活環境
 a.ライフライン(ガス、水道、電気)が不十分で、毎日12時間もの停電がある。
 b.食糧、衣類、雑貨等の必需品が不足している。
 c.ゴミ処理が追いつかず、通行の邪魔になる程道端に散らかっている。これは増大するゴミの焼却設備の不足だけでなく、清掃人カースト以外はゴミにさわってはいけない、という人々の意識の問題がある。

2.地域医療
 a.病院や医療施設が不足しており、約9割の出産が不衛生な環境での自宅分娩のため、それが妊産婦と乳幼児の高い死亡率の要因となっている。
 b.経験豊富な医療関係者が不足している。
 c.保健衛生に関する知識不足により自己の健康管理ができない。または、婦人病にかかることへの恥意識が検診をうける妨げとなっている。

3.学校教育
 a.学校が少なく必要な設備の開発・設置の停滞している。
 b.公立高校と私立学校との間には大きな差があり、経済的に恵まれていないと質の高い教育が受けられない。
 c.教員数が少ないうえに、政治不安を背景にストライキが多く授業が行われないことも多い。
 d.学校からドロップアウトする子どもが地方に多い。それは経済的事情の他、地域社会の無理解や家事を手伝わなければならないため勉強もできず勉強についていけなくなるケースがある。

4.働く子どもたち(ストリートチルドレン)
 a.親の借金返済のために働きに出されるケースでは、賃金は親が受け取り子供にはほんの少しの食糧が与えられるだけで寝る場所もないような劣悪な状況にある。
 b.重婚や再婚で義理の親による虐待により家を出る子供たちは精神的に大きなダメージを受けている。
 c.マオイストからの勧誘や脅迫を恐れて都会へ逃げてくるケースもある。

これらの問題を解決するには、資金や物質援助のみならず学ぶことの意義を伝えたり、基本的人権の意味や、皆で街をきれいにしていくことの必要性を理解したもらう等、人々の意識を変えることが重要です。宗教的または慣例的に長い間培われた意識を一朝一夕で変えることは不可能ですが、「千里の道も一歩から」というように、各々ができるとこをひとつづつ始めることで大きな力となるでしょう。