ネパール教育の現状

ネパールの教育制度は、小学校5年、中学校3年、高校2年制の10年制を採用しています。そして、高校を卒業すると全国共通の認定試験SLC(School Leaving Certificate)があります。
しかし、この小中高の10年教育では、大学に進むには、国際的な基準に2年ほど足りません。
そこで暫定的な措置として、高校教育に2年プラスした教育(通称10年プラス2年)と大学での教養過程2年の教育(通称キャンパス)に期間を設けています。そこでの教育期間を経て、大学(一般は3年教育、医学部は5年教育)に進学することができます。
2008年4月の制憲議会選挙の結果、王制は廃止され連邦民主共和国が誕生しました。新政府は、中学生(8年生)までの授業の無料化、女子や低カーストへの教育支援などの政策を打ち出しましたが、実際には長い政情不安などの影響のため社会は疲弊していて、ストライキなども頻発し、学校の授業自体が成立しないなど厳しい状態が続いています。
2006年調査では、小学校への就学率は全体で87.4%と、大分改善をみせてきましたが、女子の就学率だけでみると未だ48%にすぎません。
今日のネパールの最大の教育問題は、私立校と公立校との格差です。
恵まれた子供たちが通う私立校では、英語を授業言語として欧米やインドの教科書をしようするなどに対し、公立校ではネパール語を授業言語として国定教科書を使うなど学習内容にも大きな差があります。
また、公立校にあっては、学習に必要な教材の不足、設備の不備、教員や教室の圧倒的な不足、また先生の質的問題などがあり、公立の高校を出ても、SLC(高校教育資格認定試験)に合格することも難しく、将来に希望が見出せないのが現状です。
2002年の教育法の改正により、公立校と私立校との中間的な学校として、まだごく一部ですが地域住民たちの基金によりコミュニティスクールがつくられるようになり、学校選択の幅が多少拡がってきてはいますが、恵まれない家庭の子供たちにとっては、なんの解決策になってはいません。
このような実情を踏まえて、ネパール政府は最近の中期三ヵ年計画において、次のような教育上の問題をあげています。
①教育の質の向上に必要な教材、設備の不足。
②生徒数に対しての教員数の不足。
③公立校と私立校との格差(修了試験合格率での大きな開き)。
④女子、低カースト、障害者、低所得層、地域住民などの差別、格差によりこれら子供達の教育の機会の喪失。
⑤教育を受けても産業が育っていないために就職ができない失業者の増加。


ネパールの歴史





